前提と注意事項
- Supabase アカウントを作成済みであること
- Supabase のプロジェクトを作成済みであること
- 拡張機能
pg_netとhttpの違いについては説明していません。
この記事では以下の公式ドキュメントを参考にします。
http: RESTful Client
The http extension allows you to call RESTful endpoints within Postgres.
supabase.com
この記事のゴール
Supabase の Database Function の中で HTTP POST リクエストを送信し、指定した Supabase Edge Function を実行できるようになることがこの記事のゴールです。
http 拡張機能を有効化する
まずはじめに、Supabase でpc_cronを使えるようにするために有効化する必要があります。
以下のように Supabase の Web 管理画面のサイドメニューにある「Database」ページの「Extensions」ページで、pg_cronと検索します。そして以下のように表示されたpg_cronのスイッチを ON にします。
ON にすると以下のように確認ダイアログが開くので、Enable extensionボタンをクリックします。
Select a schema to enable the extension forについては、extensionを選択します。
以下のように ON になりました。これで HTTP リクエストを送信するための拡張機能が有効化されました。
以上で拡張機能httpの有効化が完了です。
拡張機能 http を使って POST リクエストを送信する Database Function を作成する
拡張機能httpを実行する Database Function をinvoke_edge_function_using_httpという名前で作成します。
以下は、実行したい Supabase Edge Function にユーザー名とメールアドレスを POST リクエストで送信する例ですが、POST リクエストで送る内容は各自が実行したい Supabase Edge Function（もしくは他の API など）に合わせて変更してください。
--
-- Edge Functionを実行するためのDatabase Function
--
DROP FUNCTION IF EXISTS public.invoke_edge_function_using_http;
CREATE OR REPLACE FUNCTION public.invoke_edge_function_using_http()
RETURNS TABLE(_status text, _content jsonb)
LANGUAGE plpgsql
SECURITY DEFINER
SET search_path TO 'public', 'extensions', 'vault'
AS $function$
DECLARE
vault_anon_key TEXT;
response RECORD;
body_data TEXT;
edge_function_url TEXT := 'https://xxxxxxxxxxxxxx.supabase.co/functions/v1/my-edge-function';
BEGIN
-- anon key をVaultから取得し、vault_anon_keyに格納する
SELECT decrypted_secret
INTO vault_anon_key
FROM vault.decrypted_secrets
WHERE name = 'anon_key';
-- POSTリクエストのbodyデータ
body_data := '{"record": {"nickname": "Email from Database function", "email": "[email protected]"}}';
-- Edge FunctionをHTTP POSTリクエストで呼び出す
SELECT status::text, content::jsonb
INTO response
FROM http((
'POST',
edge_function_url,
ARRAY[http_header('Authorization', 'Bearer ' || vault_anon_key), http_header('Content-Type', 'application/json')],
'application/json',
coalesce(body_data, '') -- body_data が NULLの場合は空のボディを送信する
)::http_request);
-- レスポンスが NULL である場合はエラーとする
IF response.content IS NULL THEN
RAISE EXCEPTION 'Error: content is NULL. Status: %', response.status;
ELSE
RAISE LOG 'LOG: Edge Function executed. Status: %', response.status;
END IF;
-- HTTP POSTリクエスト結果のステータスと内容を返す
RETURN QUERY SELECT response.status, response.content;
END;
$function$;あとは上記のinvoke_edge_function_using_httpを好きなところで実行すれば、Supabase の Database Function の中で Edge Function を実行できます。
以下は試しに Supabase の Web 管理画面にあるSQL Editorでselect文で実行した例です。
以下のようなレスポンスを返すようにしてします。
(200,"{""id"": ""201e5ee3-08c3-474f-858a-129749da89b0""}")HTTP ステータスとして200、その後に続く"{""id"": ""201e5ee3-08c3-474f-858a-129749da89b0""}"は実行した Supabase Edge Function からの応答内容です。
なお、上記では Supabase Vault を使って API キーを取得しています。Supabase Vault の使い方については以下にまとめています。
🗄️ SupabaseのVaultを使ってシークレットを保存、使用する
SupabaseのVaultを使ってシークレット（APIキー、環境変数など）を保存し、Database Function内で使用する方法を解説します。
ritaiz.com
まとめ
この記事では、Supabase Edge Function を Supabase の Database Function 内で呼び出して実行する方法を解説しました。
拡張機能のhttpは当然ながら Supabase Edge Function 以外にも使用でき、POST 以外にも GET、PUT、DELETE リクエストのいずれも送信できます。