はじめに

スマートロックや温度・湿度センサ、ボタンを押すための小さなボットなど、最近では色々な IoT 機器が開発、販売されています。多くは一般家庭で使うものですが、業務上で IoT 機器を活用することで業務効率化や新たなサービスの提供が可能になる場合もあります。

例えば、工場内の機械の稼働状況をリアルタイムでモニタリングしたり、農業用のセンサを使って畑の状況を把握したり、建物のエネルギー消費量を計測して省エネ対策を行ったりといったことが可能です。

本記事では、弊社がこれまでに開発した IoT システムの概要を紹介します。

なお、以降に掲載する画像や内容は開発途中におけるものであり、実際のものとは異なっている点が多くあります。あくまでデモ用のものとしてご覧ください。

開発した IoT システムの構成イメージ

以下のような構成の IoT システムを開発しました。複数設置したセンサ情報を取得するための IoT 機器からの情報を Bluetooth 経由で取得するゲートウェイ、さらにゲートウェイからの情報を集計して保存するサーバとユーザーが情報を確認したり制御したりするための Web アプリケーションを持つ構成になります。

上記における各機器やグループの役割を簡単に記載します。なお、上記の画像のように IoT 機器から成るグループが１つの場合もあれば、複数の場合もあります。その場合は各グループに応じてゲートウェイを複数用意したり、目的に応じて複数のサーバを設置したりします。

センサグループ A

センサを持つ IoT 機器から成るグループです。センサ情報を取得し、定期的に Bluetooth 経由でゲートウェイ A に送信します。この IoT 機器は以下の画像のような小さなマイコンを使ったものが多いです。以下の画像では、Seeed 社の XIAO nRF52840 というマイコンを使用しています。多くの場合で電池駆動で動作するように設計します。要件によってリチウムポリマー電池を使った充電式にしています。 以下の画像の場合はマイコンとセンサ値の確認用の OLED、リチウムポリマー電池を備えた IoT 機器の基板です。実際には 3D プリンタで作成した筐体にこの基板と追加のセンサを組み込んだものを使用します。

ゲートウェイ A

センサグループ A からの情報を Bluetooth 経由で受信し、WiFi もしくは有線 LAN を経由してサーバにデータを送信します。必要に応じてサーバからのリクエストを受け付けてセンサグループ内の IoT 機器にデータを送信、制御します。要件に応じて Raspberry Pi や Arduino などを使ってプロトタイプを開発します。このゲートウェイは SwitchBot 社が販売しているハブに相当する役割のものです。

サーバ

ゲートウェイ A からの情報を受信し、データベースに保存します。ユーザーが情報を確認したり制御したりするための Web アプリケーションも提供します。サーバはクラウド上からオンプレミス上に構築することもあります。クラウド上に構築して VPN で接続することもあります。

開発費用と開発期間について

開発したい IoT 機器、全体のシステム構成によって大きく変動はしますが、本記事で紹介したような内容だとおおよそ５ヶ月ほどで開発が完了するイメージです。ただし、IoT 機器のハードウェア開発には試作やテストが必要になるため、詳細によって開発期間は変動します。特に専用の PCB 基板を作成する場合は、試作や製造工程があるためより時間がかかります。

• 開発期間イメージ: 5 ヶ月 ~
• 開発費用イメージ: 300 万円 ~ (IoT 機器ハードウェアから Web アプリケーションまで全てを開発する場合の最低金額。IoT 機器の種類や数、Web アプリケーションの機能によって大きく変動します。)

まとめ

IoT システムの開発事例について紹介しました。 もし IoT 機器のハードウェア開発から Web アプリケーションまで一気通貫で開発したい場合は、お気軽にお問い合わせください。 業務上リモート制御したい機器がある場合や、センサ情報を集計して可視化したい場合など、IoT システムの開発に関するご相談もお待ちしております。 弊社では、お客様のご要望に合わせた IoT システムの開発を迅速に行うことが可能です。